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BPL S2も気が付けば全チームが残り2試合を残すところとなった。のこり全8試合が終わるとどこかの2チームが姿を消す。現在上位3チーム、レジャーランド、ROUND1、アピナは次ステージへの進出が確定しているようだ。残る5チームの中から2チームはレギュラーステージ敗退となる。
さて、ここまで試合が進んで来ると、視聴者目線でもチームとしての方針や選手起用などの傾向が見えるようになってきた。今回は選手の残りコストに着目してチームごとの台所事情などを探っていこうと思う。
まず、今回のBPL S2ではBPL2021と異なり「LV10~LV11が試合に占める重要性」がより大きくなっている。LV12はステージを通じて3回しかプレイする機会が無いという可能性があり得る。つまり「12の専門家」の重要性は大きく下がり、「チーム内でLV10~11をこなせる選手がどれだけ多いか」「どれだけ広く~LV11をカバーできているか」が最重要項目となっている。
加えて、「オーダーが読みにくくどこにどういった選手が出てくるか分からない」というチームや選手は残コストが少なくなってくると出場場所を特定されやすくなったり、ここには出られないという状況が生まれてくる。「読まれる事は覚悟の上で、なお圧倒的な力でねじ伏せる」事が可能な選手であれば問題ないが、そうでは無い場合はチームオーダー読みの時点で刺されてしまう事も考慮する必要がある。選手起用に自由がきかなくなってくるとチーム状況が劣勢の時にそれを覆すだけの「チームパワー」があっても、それを最大限に発揮できるだけのコストが残っていないという状況も発生してしまう事に注意が必要だ。
これらを踏まえてみていこう。
APINA VRAMeS
UCCHIE、NIKE.の2名を起点としてポイント、勝ちを重ねており現状はPt差でROUND1の次点で3位。KENTANの不調をチーム力でカバーしており、次戦で出場回数ノルマも全選手が達成。この時点ではどの選手も大将の可能性があるコストの残り方をしており、変化球を投げる事も可能。46はここまでの経過で「PEAKマスター」の二つ名を見事に裏切るジャンルでの活躍が目覚ましい。この動きが読めない46選手の存在と上位選手2名の安定感で成り立っている印象。KENTANは待望の1勝を挙げた。BPL2021のUCCHIEのように、1勝を皮切りに目覚める事をファンは願っている事だろう。
どの選手も~LV11の試合に出場しており結果を残している。指定ABに関係なく対応できており、個々のパフォーマンスも安定以上の結果を出しているのでこの順位は妥当。ROUND1との直接対決が大きなヤマとなるが、ここで負けてもポイントが取れていればQFをパスする事も可能。大魔王が居なくなった後でも圧倒的な存在感を放っているチームだ。
GiGO
GiGOは現状Pt差の5位。QF抜けを考えると五分五分のまさに剣が峰という状況。加えて不安要素もある。まず、NCHO72のコストが無い事。いままでLV12は彼1人で担当してきたが先鋒中堅での出場があった事もたたり、もう大将戦で出るコストは無い。また1巡目CORIVEは自身の武器曲で戦うタイプのプレイヤーなのでこのままコストが余ったまま終わる可能性もある。
(なお、ジャンルや指定は前もって決定されている為、このコストになった時点で既に最終戦中堅NCHO72、大将CORIVEで勝てる目途が立っているのならば見事なコストの使い方である)
GiGOはどの選手も~LV11での戦いをしているが、逆にLV12での成果が芳しくない。戦う試合が少ないとは言え、LV12の試合は1曲3点の重みが常にあるLVなので無視できるものでは当然無い。ジャンルに恵まれればCORIVEとの分担もできただろうが、現状ではLV12の負担が1人にかかってしまっている。この偏りは運頼みになってしまう為この辺りの流れもチームには向かい風。QFへ危険信号がともっていると言える。
GAME PANIC
GAME PANICは4位。勝ち点では同率だが、獲得Ptで1つ抜き出ており現在の位置。BPL2021と同様に前評判通りと行かずチーム成績は負け越しているが、それでも着実に目の前の試合をこなしてきただけあって、Pt差がこの終盤戦にきて大きく感じられるようになってきたか。MIKAMOが大将戦をこなせるだけのコストをしっかり残しながらここまでフル出場と大車輪の活躍。加えてPEACEが大将として出る試合が増え、苦しい試合も多かったがポイントはしっかりと獲得している。
良く見ると、アピナと同じようなコストの残り方である。しかし、内容を見ると54GAYA、#MA3#の両名はLV10でのポイントに恵まれていない。また、このチームは「5-7」というスコアでの決着が多い。これは先鋒戦の1点争いによって試合結果が負けに転じていると読み取る事が出来る。残り2試合の結果次第ではこのチームも敗退の可能性が残されている。ここを制する事が出来るかはこの2名の奮戦にかかっているかもしれない。
SILKHAT
現状最下位のSILKHAT。苦しさがコストにも表れている。全試合出場のEXITは残り2戦でコスト10。多くの猛者と善戦を演じたLV11の試合にはもう出場が叶わない。上位のAPINA、GAME PANICと比較して、SEIRYUのコストが残りすぎである。それでありながらANSA、KIDO.のコストも他のチームと同様に残っており、コストのツケは全てEXITのコストで払っている。
SEIRYUはLV12ならば当然圧倒的な戦力なのは間違いないが、前述のようにLV12のウェイトが大きくなくなってしまった今回のルールでは、全てのLV12戦に出ても最低90しかコストが使えないし、苦手なジャンルが来た場合には更にコストを持て余す事にもなる。SEIRYUがLV12を務める試合で全て勝つ事を想定するのならば、それに合わせてEXITのコストを残しておかねばならない。ANSA、KIDO.の両名+SEIRYUでも勝てると言うのならば、もっと他の試合においても重要な場面をこの2人に任せるべきである。
コストの残し方とやっている事が非常にちぐはぐしており、「6位以上に入ってリーグ戦を突破するにはこうする」という戦略よりは「今の資産で目の前の試合をどうにかするにはこういう風にする」という場当たり的な印象を受ける。
残り2試合、筆者の思った事を吹き飛ばすような、目の覚めるような2連勝を期待したい。
SUPERNOVA Tohoku
勝ち点で同率、Pt差で6位のボーダーライン上にいるSUPERNOVA。他チームと比較しても変わったコストの残り方をしており、1巡目VELVETが80残っている為使い切る事が不可能になっている。また出場回数ノルマの関係でFRIPは残り2戦の出場が確定している。また、次戦のオーダーが確定し次戦の大将でWELLOWが出る事が確定した為、最終戦レジャーランド戦ではWELLOW以外の3選手が出場する事も確定した。
このチームは他チームに比べて「先鋒過剰」感が否めない。FRIPはBPL2021から通して、ほとんどの出場試合において先鋒として出場しているが、非常に安定した戦績を残している。VELVETは特定の大将戦もこなせる先鋒枠としてはAPINAの46に近いポジションに似ているようである。しかし不運にもSUPERNOVAはここまでスクラッチと言うジャンルを2回しか引けていない。(5試合経過時点でなので2/15。次戦でスクラッチを引けたので3/18。実は確率通り)この2名が先鋒戦で幅広く活躍できるばかりに、逆に出場回数やコストに影響が出てしまっていると感じる。
この出場してもコストが余りがちな先鋒戦を2人で分担すれば、残りの2人のコストがこのようになってしまうのは当然の事。勿論先の事まで見据えた上でのコスト配分なのだろうが、FRIPの出場が確定したりWELLOWのベンチが確定してしまったりと、今までよりも対策がしやすい状況を他チームにさらけ出してしまっている。加えて、首位レジャーランドとの試合も残されている。同率の中で一番下の順位となると、ポイントを稼ぐよりも勝利して1つ上に抜け出したいところ。筆者個人はSILKHATの次にQF進出が危ないチームと思っている。前年セミファイナリストの意地を見せて欲しいところ。
TAITO STATION Tradz
現状7位のTradz。だが現在の順位程悲観する状況には無いと筆者は考える。まず、7位ながら獲得Pt数がGAME PANICを上回る32。これは勝ち点で並ぶだけで一気に安全圏まで浮上できる数字。Tradzがこれだけの数字を獲得しているのでSUPERNOVAは一瞬で圏外まで放り出される可能性がある。
またコストを見るとNORI以外の3名は横並びになるようにコストが残っている。これはどういったオーダーで配置されるか非常に読みにくい。またNORIは癖の強い曲を武器として戦える為、ストラテジーカードの枚数が乏しくなってくる終盤戦においてはNORIの武器曲を頼りに意表をついたオーダー構成も可能になっている。よって、残り2試合をどのチームよりも柔軟に戦える、余力を残した状態のように映る。7位でも極端に悲観する状況では全くないと考える。
一方でこのチームも7-5、6-6の試合が多く「勝ちきれない」試合が多い。この状況が打破できないと大事な勝ち点を得られないまま浮上できずという事も考えられる。GAME PANICに敗退した直後の大一番。逆風を打破するだけのパワーをひねり出せるかがキモ。
ROUND1
現在APINAと同率、Pt差で2位のROUND1。すでにQFは手中に収め、QFをパスできるかどうかが現在の目標だろう。首位のレジャーランドとの直接対決を制し、その目標へ大きく近づいたと言える。
何と言っても目下全勝中のU*TAKAの存在が大きい。残るコストは大将戦1回分で、次戦の続く大一番、APINA戦での大将戦へ出る事が決まっている。よって最終戦GAME PANIC戦はU*TAKA以外の3名での出場が自動的に決まった。コストが無くなったとはいえ、今までの活躍はおつりがくるくらい大きなもの。
残る3名、特に最終戦で大将を務める可能性が高いKUREI、I6VVも最終戦までのコストがしっかりと残されており最後まで万全の布陣で戦い抜けるように見える。シーズン前半では出鼻をくじかれたりもしたが、この時期においてしっかりと盤石な態勢を整えているのは流石。前年の想いを胸に、次戦でAPINAへのリベンジを果たそう。
レジャーランド
前シーズンでは通年で1勝しか挙げられなかった悔しさを胸に大躍進をしたレジャーランド。こちらも既にQF進出は確定。もちろんQFをパスしセミファイナル直通便の切符を確保したいところ。
前シーズンより「多くの選手が色々なポジションで戦えるのが強み」というチームカラーがあったが、そのチームカラーそのままに全員が実力をつけて、ここ一番の勝負をきっちりと勝てるチームへと成長した。残コストにもそのチームカラーが現れており、U76NER以外の3名が同じくらいにコストを残せている。ただでさえオーダーが読みにくいレジャーランドは最後の最後までオーダーが読みにくい。
また、このチームはカードの切り方が上手だった。カードを切ったGiGO戦では11-1の圧勝。2連勝で首位に躍り出ると、以降一切カードを食らう事なく首位を維持。一度抜きでたチームに対してカードを使う事はあまりしたくないという他チームの心理を逆手にとった印象を受ける。思えばBPL2021で、1試合で全てのカードを使い切ったAPINAはその後優勝を果たした。レジャーランドは果たしてどういった結末を迎えるか。。。
総括
レジャーランドはU76NERを除く3名全員が大将戦で出場した経験を持っており、それぞれ要所での結果が出せている。ROUND1も同様にMAKO-G以外の3名は大将戦の経験と実績がある。
このように先鋒から大将まで幅広く対応できる選手2,3名の中に、隙あらば刺しに来る武器を持つ選手1名、もしくは自選曲を堅実に守れる選手が居るという構成をしたチームの活躍が目立っている。
APINAもNIKE.UCCHIEというポイントゲッターを軸に先鋒から大将まで出られる46、先鋒実績十分でここからの浮上が期待できるKENTANが脇を抱える形であり、この2チームと近い戦い方をしている。
GAME PANICもMIKAMO、PEACEの2名を軸にLV12に54GAYAが出場したりと、上記3チーム同様の傾向を見せているが先鋒戦での数字が芳しくなかったり、MIKAMOがNIKE.に2タテを食らったり、PEACEが1-PINに2タテを食らったりという事が重なってしまったので現状の順位になってしまっている。
こういった勝てるチームの構成の傾向はBPL2021ではあまりなかった事。今後求められるプロ像も変化していくのかもしれない。
以上、各チームのこれまでの戦いをコストという観点から振り返ってみた。こうしてみてみると勝つべくして勝っているチームが存在しており、強いチームとはどういった姿なのかというものがおぼろげに見えてきているような気がする。しかし、この傾向はあくまでリーグ戦に限った話であり、QF以降のトーナメント戦一発勝負でも同様の傾向が見られるかというとそうでは無いかもしれないし、実はその通りなのかもしれない。
チームによって状況は様々な中で、読者諸君の推しのチームがどんな状況下にあったとしても変わらず声援を送ったり試合を見守ってあげて欲しいと、筆者は願っている。
最後に今回の話題からは盛大にズレるが問題提起をして終わろうと思う。
リーグ戦という形式をとる以上、「目なし」という状況が生まれる事がある。目なしとは、今後どういった最高の結果を挙げても次ステージへ進むことが不可能な状況の事を指す。もちろん目なしとなったチームでも全力で対戦相手と戦う事がプロとしての矜持でありプロとしての正しい姿である。これに関しては「米長哲学」という言葉をググって欲しい。
では、それの「逆」はどうだろうか。
例えば今回のレジャーランド。残る2戦はTradz戦とSUPERNOVA戦である。レジャーランドはQF進出が確定している。例えばレジャーランドが「QFで戦う場合、Tradzの方がより嫌な相手」と考えていた場合に、Tradz戦を全力で戦いSUPERNOVA戦で手を緩め、Tradzに不利な状況を作る事が可能である。チームの優勝を考えて理想的なプランを考えるのは当然のことである。だが、上記のように「わざと手を緩めることで自分たちにとってよりよい状況を作りだす」事は是であろうか?
もう一つ、例えば現在のFRIP選手のように出場回数というノルマがぎりぎりの選手が他にいたとしてもおかしくはない。そういう時に、例えばROUND1との試合が組まれ大将には圧倒的勝率を誇るU*TAKAが出場したとする。この時ROUND1戦を「勝ち目が薄い」と考えた場合に、大将戦の負けを受け入れ、ノルマを達成し他選手のコストを残す為にあえてU*TAKAとぶつけるという作戦を取る事が可能である。目の前の試合は落とすが、シーズンを見据えたトータルでの勝率は上がる可能性が高い。ではこの行為は是であろうか?
(上記2つの問いにおける個人名、団体名は例として挙げたものであり、これらの選手、チームが実際にこういった行為を行っているという事ではありません)
ファーストステージももう残りわずか。泣いても笑ってもあと各チーム2試合で、いずれかの2チーム8名が姿を消してしまうと思うと残念でならない。だが、その8名の健闘を称える為にも最後までしっかりと見届けたいと思う。
(表はBPL S2>>順位表 より 9/7現在)
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