よく見られている投稿

BPLS3 敗退したチーム達



BPL3も残すところFINALのみとなった。
決勝を戦うAPINA、ROUND1の華々しい活躍の裏には敗北したチームの想いが込められている。今回はそんな敗北したチームたちのBPLS3を振り返り、次シーズンへの見所を語っていこうと思う。なお各チームの詳しい戦績などは割愛するので公式サイトにて確認して頂きたい。

----------------------------------
レギュラーステージ敗退チーム

GiGO
~終始勝利から縁遠かった~

3分3敗と唯一勝ち星を挙げられなかったのがGiGO。BPLS2では薄氷のレギュラーステージ突破から難敵APINAを下しセミファイナルまで進出する事が出来たのだが、その成績を下回る結果に終わった。次シーズンではメンバーの入れ替えもやむなしと見える。

このチームは兎にも角にも「勝ちきれなかった」事が挙げられる。勝ち点方式のリーグ戦は負けない事よりも勝つことの方が重要であり、3分けと1勝2敗は価値が一緒だ。そういった中でチーム内に2タテ勝利した場面が1回も無く、勝ちをもぎとっていく試合というものが見られず、スクラッチソフランでは無類の強さを誇るCORIVEも全試合でドローに終わった。

今回のレギュラーステージは全選手の積極的な起用を求められ、多くのチームがコスト面で苦慮していた。GiGOも例外ではなくファーストステージで積極的に大将起用がなされたNUCHIOはセカンドステージの段階で残10コストとなってしまい、セカンドステージ以降の起用が窮屈になった印象がある。CORIVEとNUCHIOがセットで出られる試合をもっと多く作る事ができれば、また違った結果が待っていたかもしれない。


レジャーランド
~キーマンを逃さず刺された~

BPLS2では破竹の勢いでリーグ戦からとびぬけると、勢いそのままにファイナルまで進み準優勝に終わった。しかし今シーズンはその勢いは影を潜め、1勝1分4敗でレギュラーステージで敗退することとなった。

このチームはDINASOが出場4試合中2回ストラテジーカードを食らい、1人に集中して狙われた格好となった。そのカードをどちらも跳ね返すことが叶わず2タテを食らった事が直接的な敗因となったように見える。DINASOはLV12も多くのプレイヤーとそん色ない戦いができる選手である為狙われた時の被害は逆に大きくなる。またカードを食らったとはいえ「勝てていない」「2タテを食らった」というメンタルを立て直すのにもそれなりの苦労があったはずだ。

一方で、1-PIN、U76NERには2タテ勝利の試合があり、勝ち切っていく力を持っている選手は揃っているように見える。DINASOもカードを使われてない試合では自選をしっかりと守っている為チーム力に関する不安は結果ほど大きくないと見える。

飛びぬけたチームはカードの被害に遭いづらく、沈んだチームは狙われる。このリーグ戦の酸いも甘いも感じたレジャーランドは来期どういった戦いを見せてくれるのだろうか。


----------------------------------
クォーターファイナル敗退チーム

SILKHAT
~3年目にして光明差す~

BPL2021ではドラフト後に選手の離脱があり、SEIRYU1人への負担が大きく出てしまった。またBPLS2では善戦するもEXITが序盤の登板過多によるコスト圧迫などで中盤戦以降立て直しが上手くいかず、2年連続でレギュラーステージ敗退となっていた。

既存メンバーであったSEIRYUはLV12一辺倒という選手から大きくスタイルチェンジし、いいままで通りLV12で無類の強さを発揮しながらLV11でもKKM*を2タテに討ち取るなどプレイの幅が広がった。KIDO.はS2においては曲中盤以降しり上がりに調子を上げていくものの、低難度での出場が多かったために調子が上がりきるまでの借金を返せずに負けてしまうという試合が多く見られたが、今シーズンはMIKAMO相手に相手の事故がありながらも自選を取ったり、先鋒戦においてU*TAKAに対して自選を取りS2から続く連勝をストップさせるなど大活躍だった。この両者には明らかな成長を感じ取ることができた。

続けて新戦力となった2名。VELVETはU*TAKA、PEACEといった強敵に対しては水を開けられた形とはなったが、レジャーランドとのソフラン対決では1-PIN、U76NERに対してしっかりと自選をとった。鍵盤主体ではないジャンルにおいてぴったりと納まるピースの1つとなれていたと感じる。LICHTは勝つ試合はほぼ2タテ、そして負ける試合もほぼ2タテというピーキーさを持ち合わせながらも100コスト消化に対して13ポイントと平均以上のポイントを取って貢献した。この極端さはクォーターファイナルでは裏の目が出てしまい進出を逃したが、レギュラーステージのような負けにおびえるよりも貪欲に勝ちを狙う方が好ましい時には非常に心強く、見ていて楽しい選手と言える。

以上の事からこのチームは、負けてなお次回の活躍を期待せずにはいられないチームといえよう。3年目にしてようやく計算できる選手、噛み合うチーム、流れに乗る試合運びが見られるようになってきた。4年目にその集大成を見せて欲しいと願わずにはいられない。


SUPERNOVA Tohoku
~新戦力不発も既存選手に大きな光~

BPL2021の構成メンバーは全員脱退し全くの新しいメンバーで心機一転のスタートとなったSUPRENOVA。

ドラフト当初は鍵盤主体のLV12担当が46のみに見えることや、新プロ選手TAKWANの実力が不透明であることなどから不安視する声もあった。しかし、ふたを開けてみると選手個々の活躍が大きく目立ったように映る。

まずTATSUは初戦で元同僚のRIOO.を2タテに切って捨てると各チームの主力を相手に引けを取らず総獲得ポイント12の勝ち越し。NIKE.は先鋒戦での2タテ2回までと、APINA在籍時のような大車輪とはいかないまでも80コスト消化に対して10ポイントとこちらも勝ち越し。そして、LV12の物量譜面をこなせる46はセカンドステージは大将2試合で自選を譲らずチーム勝ち頭の14ポイントを挙げた。

3選手がこの状態である為、獲得2ポイントに沈んだTAKWANは責任を感じているかもしれないが、GiGO戦2試合とクォーターファイナルでは自選を維持できている。何より、レギュラーステージで2回もKKM*と戦っているのはこの選手だけ。この経験を糧に飛躍に期待したい。

こうしてふりかえってみるとこのチームにも戦力的な心配はあまり感じられない。PEACEやU*TAKAのように1人で荒稼ぎする選手はいないが、平均点以上を3人で叩き出しており、こういった「多少のリード」を守っていく試合であれば経験豊富なTATSUや強心臓のNIKE.の土俵。TAKWANの飛躍次第で次シーズンは非常に面白いチームと言える。

----------------------------------
セミファイナル敗退チーム

GAME PANIC
~大崩れはしない、鉄壁の1,2番~

GAME PANICは今シーズンの打点王PEACEを擁しておりレギュラーステージにおいては不安のない戦いだったと言える。勝った試合の得点数は2試合を11-1で終えており圧巻。セカンドのSILKHAT戦では大敗するも、それ以外での負け試合はいずれも5-7の僅差での敗北など、まさに大きく崩れる事はほぼ無かったチームと言える。その原動力は何と言ってもPEACEとMIKAMOの両名の安定感の高さにある。

スタートを2タテ敗北2連続とBPLの洗礼を浴びたTAKA.Sであったが、LV12になると2タテ勝利も生まれ最終的には9ポイント獲得とBPL初参戦としては上出来と言える。この1シーズンの経験をもとに更なる強さを手に入れて欲しい。FRIP.は1ポイントの獲得に留まり、TradzのRAITO.と並び最低獲得となってしまった。FRIP.は対戦相手がドラ1の1-PINだったり、韓国勢でKAC優勝経験もあるLICHTとの2連戦があったりと対戦相手にも恵まれなかった感はあったが、一発勝負のクォーターファイナルでは自選を通すなど勝負強い面もあるので今後に期待したい。


TAITO STATION Tradz
~韓国からの黒船、ここに沈む~

誰もが動向を注目した韓国いちのプレイヤーKKM*を獲得し覇道の始まりを予感させるスタートを切ったTradz。しかしその出発は波乱の船出となった。

新戦力RAITO.は自選が安定しない試合が続くが8S.は全試合ドローと平均点で健闘する。しかし、KKM*を温存する間のキーマンと目されるRIOO.がTATSUに出鼻を挫かれて2タテ敗北から始まると、以降も2タテの勝利が先鋒戦の1回に留まり、100コストに対して8ポイントと平均を下回ってしまった。KKM*がLV12で出られるセカンドステージになってからはチーム成績2勝1分という好成績をあげてなんとか3位でステージ突破となった。

その一方SILKHATとのクォーターファイナルではRAITO.が飛ぶ鳥を落とす勢いだったKIDO.を2タテ勝利にねじ伏せる。中堅戦でKKM*がSEIRYUに2タテ敗北を喫し暗雲立ち込める中、副将RIOO.もカードを使いながらではあったものの強敵LICHTに対して2タテ勝利をおさめレギュラーシーズンでの鬱憤を晴らす鮮やかな勝利を挙げた。

このチームは判断が難しい。KKM*を除いた3名は獲得ポイントが平均以下に収まっている。KKM*も17ポイントと獅子奮迅の活躍であったが、最終的には全体4位でありLV12だけ上手くてもその評判通りにはいかないというBPLルールならではの難しさが現れている。それでいてレギュラーステージ2勝2分2敗のきっちり5分で終われているのはチームメンバーの噛み合いの良さがあるのではないかと思う。不調な選手がいる時には負けるにしてもできるだけポイントを稼いでおきじっと耐えた。そしてKKM*に暴れて貰う段階に進むとチームの勝利を絶対として他のメンバーがポイントを取って大将に繋ぐという、チームとしての機能が上手く働いてたのではないだろうかと筆者は思う。

本人の都合によりKKM*の来期出場は無いと言われており、事実であればこのチームはここで一旦の解散となるだろう。発信力やイベントの企画力といった面からも注目のTradz、来期はどんな怪物たちが暴れてくれるのだろうか。


----------------------------------

以上、敗退が決まった6チームの振り返りや分析でした。
決勝も、もうまもなくです。

コメント